瀬野川
河床堆積物は、河床勾配や流速の変化に影響されて上流から下流に向かって細粒化していくことがよく知られている。しかしながらその変化は単調なものではなく、流域の地形や地質、支流や土砂による側方からの砕屑物供給などの影響を受けて様々な粒径の分布を示す。
↓例えば隆起準平原を流れる芦田川は中流域で最も粒径が大きくなる(山崎ほか,2018)。
下流方向に細粒化するという事実と、実際の河川における河床堆積物の特徴の変化を比較すると、このような多方面からの要因が見えてくるため、一見地味ではあるものの、なかなか議論に尽きないのが河床堆積物のおもしろいところである。
というわけで今回は、去年も実習に引き続き、瀬野川の河床堆積物を観察しそれらの縦断方向の特徴の変化を追ってみる。なお、去年は実習時間が半日しかなく瀬野駅周辺しか調査できなかったため、今回は丸1日使い瀬野から海田市まで計12kmを歩いて調べていくことに。
瀬野駅周辺
瀬野駅南側の河原からスタート。本来は3年生の授業であるが,約12kmを歩く長距離実習に苦行スイッチの入った研究室メンバーも参加。
昨日まで雨が降っていたことから水量が多く、何名かは犠牲を払うことに。
長径1m越えの礫が多くあり、2mに迫る巨礫も見られる。
昼休憩
瀬野駅付近の瀬野川は側方に斜面が迫っており、その狭い隙間を2号線が走るので河原に降りるというのがなかなか難しい。
ということで行程の4分の1も進んでいないところでお昼になってしまった。
中野東のラムー横のたこ焼きアイス屋さんで一息つく。
中野東〜安芸中野(中流域)
中野東のあたりから河川敷があるので楽に観察していけます。ただし人為的な礫洲があるので注意。
中野東のあたりでは50cmを超える礫がまだまだ多くある。
実習のTAも長靴を履いてがんばります。
備中橋あたりまでくると1mを超える礫はなくなり、手のひらくらいの大きさ。
と思っていたら中野東を手前にして50cm近い礫が復活する。おそらく直前の押手川による供給だろう(画像は見やすいように編集しています)。
畑賀川合流〜海田市(下流域)
それ以降は細粒化していったものの、握りこぶしくらいの礫が目立つ。
およそ6時間かけて海田市駅に到着。無事ケガなく歩き切りました。
山崎博史・梶原周作・吉富健一(2018)地域素材を活用した地学の学習(8): 芦田川の河床礫と中国地方南部の地形特性.広島大学大学院教育学研究科紀要,67,1-8.